まほろば日記

主に映画についてまったり綴ります!

作品1 『海の上のピアニスト』

こんにちは!つかてんです!

 

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今回記念すべき第一回を飾る作品は『海の上のピアニスト』です!

ジュゼッペ・トルナトーレ監督とエンニオ・モリコーネ氏のタッグによる至宝の作品。

ティム・ロス主演の切なくも優しい愛の物語です。

 

この作品と出会ったのは小学生の頃、

たまたまTVで再放送されていて釘付けになった。

当日ピアノに少し触れていた為余計に世界観が好きだった。

 

簡単なあらすじは船の上で生まれた1900という名のつけられた少年が船の乗組員に家族同然に育てられ、陸に降りることなく音楽で乗客を魅了し、最愛を見つけるもののその恋は叶わず生涯を終えるというもの。

物語は語り部として親友となったマックスの回想シーンと現在の2つの軸で進んでいく。

 

1900は船の上で生まれ海の上で人生を終えるからこそ、陸で暮らす人々が幸せと思える暮らしや人生のあり方にうまく共感できない複雑な考えを持っていた。

彼にとってそんな環境が価値観と深く繋がっており、アメリカという終わりの見えない鍵盤を前にただ立ちつくすしか無かった。

出発点から到着点を行き来する終わりが見える船旅と88の鍵盤という限りがあるからこそその中で自分の力で可能性を広げる事に喜びを感じて生きてきた1900にとって、陸の世界で無限の選択肢の中からたった一つの道を選ぶ事の繰り返しが出来なかった。

 

最終的に友を説得することが出来なかった自分を無力だと考えていたマックスは、楽器屋の主人にが大切にしていた1900最初で最後のレコードを聴かせてくれたことで彼が生きていたという形を残している事に無意味で無いと伝えられ少し救われた表情を見せる。

 

もしも1900が船を降りてアメリカで暮らしていたらという訪れる事のない明るい未来を容易に想像できるからこそマックスと共に1900を想う1人として観客も同じ心境にさせる部分に構成の秀逸さを観ることができる。


度々アメリカの街が霧で先が見えなくなっているのはまさに1900から見る海に浮かぶ街の無限という理解しきれない環境を表しているようだった。

 

今回ご紹介した『海の上のピアニスト』は現在4Kデジタル修復版のブルーレイも販売されていますので興味のある方はぜひ見てみてください!

 

「何かいい物語があって、それを語る相手がいる限り人生は捨てたもんじゃ無い」

 

こんなことが言える生き方をしてみたい。