まほろば日記

主に映画についてまったり綴ります!

作品3 『チック、チック...ブーン!』

みなさんこんにちは! つかてんです!

 

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今回ご紹介する映画は今Netflixで配信している『チック、チック...ブーン!』です!

 

アメリカのミュージカル映画で、劇作家である

リン=マニュエル・ミランダがメガホンを取り

アンドリュー・ガーフィールド主演作!

 

若くしてブロードウェイで12年間にも渡り上映された『レント』の生みの親であるジョナサン・ラーソンが世間に認められる以前の30歳を目前にして焦りを募らせる日々を描いた作品。

ジョナサンは憧れのソンドハイムが27歳でデビューしたという事を意識し30歳までにミュージカルで成功する事を夢見ていた。

しかし鳴かず飛ばずの現実にアルバイトをしながら作品を作り出す日々を続け、いつしか彼の頭の中は時計の針の音に焦燥していた。

 

ある日ついに業界の著名人を呼び自らの作品の公開発表会の実施を決意する。

この作品はそんなジョナサンの発表会までの作曲活動への苦戦と恋人スーザンとの運命、友人マイケルとの関係など考える事を多く抱え苦悩しながらも生き抜いた時期を描いている。

さらに作中歌からジョナサンの感情がエネルギッシュに伝わりしっかりと観客の心も引っ張っていってくれる。

 

作中で大きなポイントとなっているのが営業マンとして成功したマイケルとなかなか芽が出ず苦しむジョナサンの言い合いだ。

一見お金と広い家と高級車を手に入れ悠々自適に暮らしているように見えたマイケルだが、彼は同性愛者としてアメリカという国と制度のもとでずっと苦しみながら生きてきていた。

さらに彼はエイズを患いジョナサンよりも近い将来人生が終わる事を悟っていた。

この場面がアメリカという強大なマネー国家においてその中で生きる多種多様な人種の問題が複雑に絡み合い、様々な角度が存在する事を知らせるポイントになっているように感じた。

 

ついに発表会の曲が完成し公演は好評で終えるが仕事に繋がる声かけはなかった。

就職し夢を諦めようとしたジョナサンだが、ソンドハイムからの一本の電話とマイケルの存在が彼を押し留めた。

ジョナサンは再び食堂でアルバイトをしながら執筆活動を続ける決意をする。

恋人のスーザンはダンス講師の仕事を受けニューヨークを離れていく。

お互いがそれぞれの道で生きていく中で大切な支えとしてあり続けた。

 

最後に流れる『Louder than words』

に込められた行動は言葉よりも雄弁というメッセージはまさに今の世界に必要な気がした。

檻に閉じこもって安定をとるか翼を得て自由を飛び回るか、はたまた恐怖をとるか愛をとるか、支配ではなく自由をとり一人一人が行動し続ける力の強さを物語っている。

主演のジョナサンを演じたアンドリュー・ガーフィールドと友人のマイケルを演じたロビン・デ・ヘススの演技が見事だった。

作品2 『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』

みなさん、こんにちは!つかてんです!

 

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今回ご紹介する映画は『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』です!

2016年に公開された実話を元にして作られたイギリス映画。

 

観終わってまずはじめに素直に良かったと思える作品。

薬物依存から抜け出せずに路上演奏を続けるジェームスの元に現れた一匹の猫により明るい未来を手にするハートフル映画。

 

特にジェームスの視点だけでなく、ボブの猫視点のカメラワークを取り入れているところがこの物語が2人で奇跡を起こしたものであるという事を強く感じた。

自分よりも弱いボブがそばにいる事でジェームスは本気で薬物依存を克服しようと決意する。

何度も身近に潜む薬物の誘惑に負けそうになる度にボブを見る事で自制していた。

 

家に引きこもりひたすら依存症状と闘い勝ったジェームスは自分を見捨てていた父親に会いに行く。

この時ジェームスと父親との関係が大きく変わる。

これまで父親はジェームスの存在を再婚相手に隠したり誤魔化していたが、この時初めて妻からの問いかけに「息子と話している」と返事をした。

胸を張ってジェームスが自分の息子であると断言した父親と、認めてもらえたジェームスの間でかつての止まっていた時間が動き出す。

 

 

物語の最後はジェームスが自伝を出版しボブと共に店頭に立っているシーンだが、この時ジェームス本人も出演している。

彼はただ一言、「僕の人生そのものだ。」と言い放った。

 

この作品は薬物の恐ろしさというものを禁断症状や仲間の死を描く事で伝えている。

それと同時に大切な人の存在や意外な出逢いが自分を強くし別の未来を歩むことができるという希望を描いていた。

 

時に動物は人間以上に寄り添い、優しさを与えてくれる存在なのかもしれないと思った。

 

そしてこの作品の続編が2月25日から全国で上映中です!

気になったら是非!

作品1 『海の上のピアニスト』

こんにちは!つかてんです!

 

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今回記念すべき第一回を飾る作品は『海の上のピアニスト』です!

ジュゼッペ・トルナトーレ監督とエンニオ・モリコーネ氏のタッグによる至宝の作品。

ティム・ロス主演の切なくも優しい愛の物語です。

 

この作品と出会ったのは小学生の頃、

たまたまTVで再放送されていて釘付けになった。

当日ピアノに少し触れていた為余計に世界観が好きだった。

 

簡単なあらすじは船の上で生まれた1900という名のつけられた少年が船の乗組員に家族同然に育てられ、陸に降りることなく音楽で乗客を魅了し、最愛を見つけるもののその恋は叶わず生涯を終えるというもの。

物語は語り部として親友となったマックスの回想シーンと現在の2つの軸で進んでいく。

 

1900は船の上で生まれ海の上で人生を終えるからこそ、陸で暮らす人々が幸せと思える暮らしや人生のあり方にうまく共感できない複雑な考えを持っていた。

彼にとってそんな環境が価値観と深く繋がっており、アメリカという終わりの見えない鍵盤を前にただ立ちつくすしか無かった。

出発点から到着点を行き来する終わりが見える船旅と88の鍵盤という限りがあるからこそその中で自分の力で可能性を広げる事に喜びを感じて生きてきた1900にとって、陸の世界で無限の選択肢の中からたった一つの道を選ぶ事の繰り返しが出来なかった。

 

最終的に友を説得することが出来なかった自分を無力だと考えていたマックスは、楽器屋の主人にが大切にしていた1900最初で最後のレコードを聴かせてくれたことで彼が生きていたという形を残している事に無意味で無いと伝えられ少し救われた表情を見せる。

 

もしも1900が船を降りてアメリカで暮らしていたらという訪れる事のない明るい未来を容易に想像できるからこそマックスと共に1900を想う1人として観客も同じ心境にさせる部分に構成の秀逸さを観ることができる。


度々アメリカの街が霧で先が見えなくなっているのはまさに1900から見る海に浮かぶ街の無限という理解しきれない環境を表しているようだった。

 

今回ご紹介した『海の上のピアニスト』は現在4Kデジタル修復版のブルーレイも販売されていますので興味のある方はぜひ見てみてください!

 

「何かいい物語があって、それを語る相手がいる限り人生は捨てたもんじゃ無い」

 

こんなことが言える生き方をしてみたい。

 

はじめに

みなさんこんばんは!

はじめまして、片道通勤2時間電車に揺られながら映画を観る時間が至福のつかてんと申します!

これから沢山の映画作品についての考察や感じたことなどを発信していきたいと思います!

 

一緒にそれぞれの作品について楽しく考えていきましょう!

映画だけでなく芸術作品や趣味のボードゲームなんかについても触れていきたいと思っておりますのでこれからどうぞ宜しくお願いします!